梅田講演会
『日本におけるクリスマス受容の歩みを振り返る』

2018年12月14日(金)

会場:関西学院大学大阪梅田キャンパス
講師:舟木 讓(関西学院宗教総主事、関西学院大学経済学部教授)

 年の瀬も迫り、町中がクリスマス一色になって参りました。今年、関西学院では12月3日(月)にアドベント礼拝が執り行われ、クリスマスツリーに綺麗な明かりが灯りました。日本人にも馴染みのあるテーマに、多くの参加者が舟木先生の講演に耳を傾けました。


舟木先生は、先ずクリスマスについて基本的な知識の説明から始めて頂きました。

・教会暦の基準となる3つの祝祭

①イースター(復活祭)
イエスの復活を記念する日(春分の日の最初の満月直後の日曜日)

②ペンテコステ(聖霊降臨祭)
イエスの弟子たちに聖霊が降りたことを記念する日(イースターの7週間後の日曜日)

③クリスマス(降誕祭)
イエスの誕生日を祝う記念日。アドベント(待降節)はイエスの降誕を待つ週間

 

Ⅰ.クリスマスはなぜ12月25日 -クリスマスとローマ帝国―

聖書にはイエスの誕生日の記載がない。
イエスの誕生日を巡るあれこれ
 →旧約聖書、その他の記録や伝承から推定。
イエスの亡くなった日からの推測
 →新約聖書(マルコによる福音書)「最後の晩餐」

・ローマ帝国のキリスト教への接近 →ローマの国策としてのキリスト教浸透政策
迫害から許容そして公認に至る経過とその背景
キリスト教の国教化と分裂(東ローマ:正教会 西ローマ:ローマ・カトリック教会)

・12月25日がイエスの誕生日に →325~354年の間にローマで12月25日がクリスマスと決定したと考えられる。

・クリスマス・ツリーの家庭への浸透 →神秘劇に登場する2本の木(エデンの園の中央の二本の木=この「命の木」と「善悪の知識の木」は枯れてはいけないので常緑樹=モミの木などが用いられる)。その後1本になり、現在のクリスマス・ツリーの原型になる。その後、神秘劇で使用された大道具の小型版を各家庭でクリスマス(アドベント)のシーズンに飾るようになる。
日本でも形式に則った飾りつけが行われている。

 

次に本題について語って頂きました。

 

Ⅱ.「クリスマスの日本における受容と変遷」

・日本におけるクリスマスの歴史 →16世紀、西洋列国による植民地支配の常套手段であった宣教師によるキリスト教化プログラムの一環として実施 →長崎五島列島等における隠れキリシタンによるクリスマス →地方の伝統行事「霜月の祝い」等との混淆→ 一種の土着化の進行

・明治の近代化の中で →文学への浸透、商業との結び付き、政治への影響(欧化政策から富国強兵へ)

・第二次世界大戦後から高度経済成長期 →商業との一体化が進行

・バブル経済時代 →高級ホテルでのイベント、高級シャンパン、豪華なプレゼント

・そして現在 →ハロウィン終了直後からクリスマスツリー等々のクリスマス装飾が始まり、日本全土がクリスマス一色に。「クリスマス」を冠にした様々なイベントの開催。

 

結び 
キリスト教が日本にもたらしたものとは(キリスト教は日本に土着化しているのか?)

※ クリスマス、イースター、ハロウィンのイベントを通してキリスト教は既に日常化しているのではないか?

※ 日本でキリスト教は土着化したのか?

→舟木先生は既に土着化したと言っても過言ではないでしょうか、と締め括られました。

 

◆次回の梅田講演会は、以下の日時で開催します。
日 時:2019年1月10日(木)14:00~15:30
会 場:関西学院大学大阪梅田キャンパス 1405教室
講 師:山 泰幸 関西学院大学人間福祉学部教授
テーマ:昔話の知恵に学ぶ幸福のヒント
定 員:80名(先着順)
申込方法:大阪梅田キャンパスHPよりお申込ください。
http://www.kwansei.ac.jp/kg_hub/
お問合せ先:関西学院大学大阪梅田キャンパス事務室
電話(06)6485-5611

梅田講演会『日本におけるクリスマス受容の歩みを振り返る』




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