NO34.学制改革-新制高等部・中学部の発足

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戦後日本の教育は民主主義の理念をもとにした「学校教育法」および「教育基本法」(1947年)により6・3・3・4制を発足させた。学院では同年、新制中学部が開設され、矢内正一部長を中心に、人間形成を主眼とした新しい教育を始めた。当時の国民生活は衣食住の生活基盤が窮乏していただけではなく、戦後世代を背負う青少年を育成するための新しい教育理念を模索していた時代であった。矢内部長は新制中学部教育理念の根底に学院のキリスト教主義を据え、そのうえに、勉学、スポーツ、キャンプ、文化などすべての面で、鍛錬を加味した斬新な教育方針を立てた。また、特色ある私学の教育を推進させるためにPTAの組織を充実し、家庭ぐるみの教育を目指して活発な活動が続けられた。
新制の高等部は1948(昭和23)年から開設され、河辺満甕前予科長が初代の部長に就任した。この年、学院はいち早く、高校以上を新学制に切り替えたために、教職員の配置転換が行われ、高等部にも旧予科・高商・専門部から教養豊かな教員を迎えることができた。新制高等部は発足のときから旧制高校に劣らぬレベルが期待されていたが、当時の高校生たちはティーンエイジャーの悩み多い年齢であったうえに、戦時中家を焼かれ、親兄弟を失った問題の多い生徒も少なくなかった。河辺部長は、こうした時代にこそ旧制高校や学院の大学予科における人格教育の良さを保持することの必要性を感じ、さらに英国におけるパブリックスクールの精神を模範として個人の尊厳とスポーツによる鍛錬を重んじ、自由と自治を旨とする新しい教育に踏み切った。